7/11月命日を福島浪江町のみなさんが暮らす仮設住宅で過ごしてきました
久しぶりに訪れたのですが
たくさんのみなさんが出迎えて下さいました
久しぶりに逢うお母さん達はみんな笑顔で
「よくまた来てくれたねえ」と
この日は集会所でビンゴ大会をおこなったり
みんなでお茶会を開きました
外では子供達と一緒にあそぶスタッフもいたり
おかあさんたちはご飯の準備をしながらもちょくちょく顔を出してくれたりと
集会所は終始にぎやかな場所となっていました
もう仮設暮らしの避難生活も二年以上となりますが
この浪江町の皆さんの多くは
発災当時より
あらゆるところを移動して避難生活をおくっていました
ようやくその避難生活のなかでも一番落ち着ける所という
ここ笹谷の仮設で今はもうしばらく動きたくはないとおっしゃいます
月命日の11日とはいえ
みなさんの日常が11日も変わらずありました
集会場で聞く”避難生活の今”とまたこれから先の不安ということは悲しい日常でもありますが
こうして
決まった時間に帰ってくる通学バスを待つお母さん達
そして
子供達が帰って来てからのにぎやかな仮設住宅
笑い声、笑顔が溢れるそんな夕暮れはとても平和な時間とも感じられました
近所付き合いなどがない現代でも
ここの夕暮れ時には
多くの家族が外にでて
誰の子供ともなくみんなが面倒をみていました
また再会できて喜ぶ子供達と楽しく遊んでいる時にやはり今日ここに来てよかったと感じました
ちょっと前におこなわれた七夕のイベントの飾りを見せてもらいました
それぞれの夢が書かれた短冊のなかに
子供達の夢や切実な想いも知る事が出来ました
またこの日も郡山のお母さん達が集まってくれました
いつも福島に行くと自分たちのご飯のことを気にかけてくれますが
ここ福島市にきてもすぐに用意してくれました
またひとりの浪江町の女性は
笹谷の有名な餃子屋さんに行って自分たちのために餃子を買って来てくれたりしました
これまで多くのメンバーで仮設に入り
さまざまな事を同時進行でおこなう事が多かったのですが
今回はビンゴをやったくらいで
あとは子供達と遊んだり大人の皆さんとはお茶をしながらいろいろと話したりしました
こうして
長い時間をみなさんとゆっくりと過ごす事ができると
たくさんの方とのお話ができます
かつての浪江町での生活や
今の福島市の生活など
また違う町の出身で違う仮設の暮らしをされている方々を連れて行けると
それぞれの情報交換にもなることができます
夜になってからはキャンドルをともす準備をはじめました
この仮設住宅はもう何度か訪れていますが
徐々に打ち解けて来たみなさんと一緒になってキャンドルを灯しました
無事に雨も風もなく灯す事ができました
それ以外に何が在るという訳ではないのですが
そこかしこにあるベンチをもちより
集会所の前に灯すキャンドルを囲むようにしてみんなが座り始め
思い思いの時間を過ごしていました
震災当時とくらべ
明らかに
支援活動も減ってきました
支援される側もする側も難しい時となりました
この月命日は
「あの日を思い出し祈りましょう」
というようなことではなく
それぞれがひとりさみしくこの月命日を過ごす事なきようにしたい
笑顔が溢れ
少しでもつらく悲しい事を考えなくてもいいような
そんな一日にしたいと思っています
現在でも
福島原発からはたくさんの汚染水が海に流れ出ています
あの震災からいくつもの変わらぬ問題とまたあらたな問題が発生し続けています
知らされていなかった事
そんなことも山ほどあるようです
今後自分たちの町がどうなるのか?
それすらも教えられていない
それでも世間では復興してきているようにとらえられる
これらすべてを震災という言葉でまとめられるのでしょうか
仮設住宅で暮らしている方々
借り上げ住宅で暮らす方々
その二つにあてはまらない多くの方々
未だに放射能を放出し続け
いつまた爆発するともわからない原発
それでもここで暮らさなければならない方々の今をもっともっと
多くの日本人は知らなければいけないのだと思います
これまでのありとあらゆる場所で地震はおこり
現在でもたくさんの原発は存在しています
これまで出逢って来た多くの福島の人々は
テレビや新聞では本当の事をのせてはくれないと嘆いています
今のそしてこれからの日本を生きる上で
この福島での出来事を学ぶには
やはり
ここで暮らす人々から教えてもらわなければいけない事が在ると思います
この日の片付けはみなさんも手伝ってくれて
最後には
「ありがとうねーいってらっしゃーい!またかえってきてね!!」
と言ってもらえました
「ただいま」
「おかえり」といえる町ができました
いつかみなさんが本当に安全にふるさとで暮らせる時が来るまで
そして
そんなふるさとに呼んでもらえる日が来るまで
「ただいま」
「おかえりー」
こんな月命日を続けたいと思います
CandleJUNE
体調悪くとも、ひとり飛んで来てくれる写真家石井麻木さんに感謝します