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2023/7/15(土)SOTEシンポジウム東京会場開催報告

ラブフォーニッポンなみなさまへ
現地活動報告させてください

「SOTE SYMPOSIUM (ソテ シンポジウム) 東京会場」を7月15日(土)に実施しました

これまでの様々な活動から生じた課題に対し「じゃあ どうする!?」をテーマに
活動をおこなってきていることを、あらためて参加者の皆様へお話ししました

そしてこれからは特に双葉町での活動を中心として復興活動を行なっていくことも宣言しました

その一環として
8月26日(土)には「ただいまおかえり双葉の夏」と題したイベントを実施します

双葉町は昨年の8月末に帰町することができました

そこから1年、震災から13年ではなく、戻ることができてからの1年を喜びの日にしたい!
町の人と新たに町に加わった人たちとともに、楽しい1日を作りたいという想いを込めています

東京開催では現在の福島県、特に双葉町を知ってもらいたいということと
ヤフーさんが震災から現在までにどれだけのアクションを起こし
防災につながる様々な新しい取り組みを行なっているかなどベースに
参加メンバーと話し合えたらと考えて開催しました

▼基調講演1:橋本 靖治さん 双葉町役場(新庁舎)総務課長 兼 秘書広報 課長

双葉町は人口7000人(2600世帯)で、震災の翌日に全町が避難することになりました

当初は避難が長期化するとは予想されていませんでしたが、避難後に原子炉建屋が爆発しました

初期の避難生活では施設の通路で生活しなければならなかったり、
数名の役場スタッフで数百人の対応を行うなど過酷な状況でしたが、
ボランティアの手厚い支援によって各所で助けられたそうです

双葉町は複合災害に見舞われた地域であり、地震、津波、原子力災害の影響を受けています
放射性物質の除去には時間とお金がかかります
除去土壌は2045年までには福島県外への移設が予定されています

中間貯蔵施設のある土地に橋本さんの家はありました
現在はアパートに暮らしており、家族は県外に暮らしています

避難指示解除準備区域はわずか4%であり、帰還困難区域では5年間手付かずのままでした
特定復興再生拠点区域は10年かけて11%になる予定であり、残りの85%は2030年代に避難指示解除を目指しています

昨年8月の避難指示解除で町内に戻ってきた人の数は現在90人であり、そのうちの3割が元住民で残りは移住者です
避難指示解除後の農業においては、農地は除染されましたが、担い手が不足しています

処理水の海洋放出に対しては、町に反対の手紙も3000通届いていますが
方針を決めるのは町ではなく国や東京電力です
また、処理水の問題も未解決です

双葉町ではようやく帰ることが許されたキラキラした復興の姿と、
除去土壌・荒廃した建物の処理
風化問題などという復興の光と影があるというお話をされました

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▼基調講演2:栗栖 典夫三さん ヤフー株式会社 SR推進統括本部災害支援推進室災害2リーダー 防災士

栗栖さんは東日本大震災とインターネットの関係についてお話されました

震災当時、スマートフォンの普及率は29.3%、個人のインターネット使用率は79%でした
インターネットは避難情報や安否情報、物資情報などの発信に役立ちましたが、
一方でSNS上でのデマや誤った情報の拡散も問題となりました

ヤフーは3月11日に緊急災害募金を開始し、1週間で10億円を集めました

さらに、特別対策室の設立や節電ページの公開、
公共機関や電力会社へのキャッシュサイト提供など、さまざまな支援活動を展開しました

ヤフーでは災害モジュールを導入し、全てのページで災害情報を掲載する取り組みを行っています

また、Yahoo!ネット基金緊急災害対応アライアンスSEMA(シーマ)といった支援活動も行われており
災害時の情報提供や必要な物資の迅速な提供に取り組んでいます

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後半では参加者のみなさんと基調講演を聞いて感じたことや
支援活動と復興に対する想いについて意見交換しました

SOTEシンポジウムは学生から企業、自治体、省庁と垣根を超えて様々なバックグラウンドの方が関わっています

その中でもフレックスジャパン代表矢島さんは双葉町に工房を開くことを決めた熱き想いを
大和ライフネクスト今井さんからは双葉町に建設予定の研修宿泊施設の進捗状況の共有がありました

私たちの活動テーマである
「じゃあ どうする!?」がそれぞれの得意分野で始まっており、このシンポジウムでさらに新たな出会いや
共同アクションが生まれていく瞬間がこの日にも生まれていました

橋本さんはじめ
双葉町役場のみなさんは住民と同じように被災者でした

これはどの被災地域でも同じことが言えますが、被災者への支援はもちろん国や県、
警察や消防、自衛隊、支援団体と様々にやってきますが
その窓口は同じ町の住民でもある職員の皆さんたちです

あらゆるところからの窓口になりますが、
なによりも普段接している住民のみなさんとのやりとりはとても大切です

双葉町だけが福島県外へ避難する

その決断をしたことで
双葉町民はバラバラになってしまいました

浜通りの他の町の人たちが受けれている支援も受けることができなかったり
情報も入ってこなかったり、たくさんの混乱が生まれていたため
住民のみなさんからのクレームがずっと続いていました

震災支援はだいたい1年もしたらなくなっていきます
震災から5年くらいまで続いていたクレーム
それを受け続けていた役場職員の方々の気持ちはだれが汲み取ってやれるのだろうか

本当であれば家族と暮らしていたいはずも
家族とも離れて暮らし、同じ町の人たちからのクレームを受ける

きっと橋本さんはずっとがんばってきている役場職員の一人一人を見てきていると思います

本当はそんな仲間たちが味わってきた大変な想いを伝えたいはずだと思っていましたが
橋本さんは
「私たちが体験したことをもっと知ってもらってこの経験を活かしていきたいんです」と言います

避難所での支援でとても必要なことや物はなにか
仮設住宅ではどんな問題が起こるのか
町の復興の意味とは。。。

多くの人の関心は「現在の原発」かもしれませんが
私たちの活動はまさに橋本さんが伝えたいと考えていることが、もっとも大切だと考えます

そういったことを
できたらヤフーさんのような拡散力もあるところと協働しておこなっていき
もっと多くの方々に双葉町のみなさんが体験したこと
そしてこれからの復興の道を知ってもらいたいと思っています

橋本さんは「共感してもらいたいんです」と言います

2011年3月11日の大震災以降も様々な地震や水害などの災害が各地で発生しています

311以上とおもわれる規模の災害は現在までにありませんが
それぞれの地域や個人の被害のサイズで考えたら
どれも大変なことにかわりはないと思います

これからも必ず様々な災害は発生していきます

橋本さんが言う、双葉町で起きてきたことと、これからの復興の歩みを共感してもらうことは
それぞれの個人が被災した際に、もっとも有効的な避難であったり、
復興への道を具体的にすることにつながるのでは無いかと思います

「しなければいけない支援活動」ではなく「自分自身のための学びと繋がり」です

わたしたちはこれからも双葉町のみなさんといっしょに歩んでいきます

そしてあらゆる業種の方達に声をかけ続けていきます

支援のためではなく、これからの未来のために有効的で具体的な答えがそこにはあるからです

現在、震災からの時間の経過により復興活動が風化していますが、
SDGsアクションとの連携を意識することは重要です

私たちが目指す福島の復興は、日本の復興でもあり、地球と共に生きるとはどういったことなのか
循環社会の形成を実践できる街づくりは、きっと世界の先頭を進んでいく一歩になるはずです

これからもSOTEシンポジウムを各地で開催し、あらゆる人たちがつながっていく輪を作り出します

わたしたちの大切なテーマ

「悲しみから喜びへ」

復興活動へのあらためての呼びかけです

どうぞ
これからもラブフォーニッポンをよろしくおねがいいたします

ありがとうございました

一般社団法人 LOVE FOR NIPPON 代表

CANDLE JUNE

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