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2023/6/24(土)SOTEシンポジウム会津会場開催報告
ラブフォーニッポンなみなさまへ
現地活動報告させてください
6月24日福島県喜多方市にてSOTEシンポジウムを開催しました。
震災から十年の節目に環境省さんとスタートしたシンポジウムですが
年間7回前後を各地で開催しており今回は会津地方での開催となりました。
233年の歴史ある酒蔵、大和川酒造代表を務める佐藤弥右衛門さんに基調講演をおねがいし、
また会場も佐藤さんが所有する満天テラスで開催させていただきました。
喜多方の盆地を一望できる素晴らしい場所での開催でした。
講演ではいろいろお話をしてもらいましたが内容を抜粋いたしました。
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酒蔵のある福島県会津地方は水も豊富にあり、穀倉地帯もある、全て循環できる
現代で言う”サスティナブル”な土地で、この実りある土地は先祖から大切にしよう!と伝えられていた。
地震があった際は会津はほとんどダメージがなく、酒屋の水を持って支援に行ったこともある。
その時水を支援した人がお酒を買いにきてくれるなど、今も支援の輪は繋がっている。
今の会津の美しさがなぜ継続しているか、他の地方の誰かがやってくれることはなく、
先祖が自分たちの力で美しく育ててきたものなので、それを今の代でも継続していくのみと。
かのドナルド・トランプは「アメリカファースト」と声を上げていたが、「会津ファースト」で考えたかったとのこと。
会津にはこぼれるほどの豊かさがあるのに何故自分たちが東京のために電気を送らなければならないのか・・・
「先祖たちが作ってきた土地を守っていく」
このテーマで会津だけでなく日本をどういう国にしていくかを考えなければならない。
自分たちの力で循環できる社会を作る方向性を考えてもいいのではないか。
弥右衛門さんは「会津電力」という電力会社も経営しているが、地震があるまでは電気なんて誰がどこで作ってようが関係ないと思っていた。
しかし、地震があって以降、自分たちでなんとかするという精神の下、会社を設立した。
今実施している太陽光発電以外にも、水を電気に変えて行けば首都圏より効率よく自給できる。
また、自給自立の社会を作るためには、その中で同じ志を持つ仲間を作っていくことが大事である。
世界を考える前に足下を考え、自分の生きているコミュニティをその中の人間同士で大切にし、
地域ファーストで生み出したエネルギーを、自分たちで使うことも今後の生活のヒントになるのでは。
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その後
参加者みんなで話しあう時間ではさまざまな意見交換がありました。
私たちが現在力を注いでいる双葉町復興については
具体的に町にホテルを建てる計画を進めていくれている大和ライフネクストさんが
シンポジウムで繋がった企業のみなさんの商材や福島産の電気を使いたいなどと具体的に進めてくれていることを話してくれました。
その後もいろいろありましたがいくつかあげさせてもらいます。
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双葉町ですでに事業展開している浅野撚糸さん
「双葉町で生産したものを双葉ブランドとして世界中に発信していきたいと考えます。
まさに“交流人口”という言葉がキーワード。交流人口300万人を目標に掲げています。
定住する人が増える→商売する人が増える→入ってくる人たちが増える。という流れになるといいと思っていいます。
今、双葉町の人口は70人。帰還した人はごくわずか。
今年、新入社員が5名入りました。高卒4名、大卒1名、皆、福島を復興したいという気持ちで入社してくれたのがうれしかったです。
地域を活性化するには産業も大事だが、やはり人を大事にすることがとても重要でみんなで盛り上げていけるようにしたい。
スクラムを組んで福島を盛り上げて行けたらと思います。」
ラブフォーニッポンは8月26日の土曜日に、双葉町でお祭りを企画しています。
今年新潟三条凧合戦に双葉町長と復興庁の方々も招待して、三条市長、元三条市長ともつなげることができました。
もの作りの街で有名な三条市の伝統的なお祭りである凧合戦を双葉町でも開催しようというお祭り復興交流を考えています。
双葉町は帰町することができたのが昨年の8月末であることから、帰町から一年というあたらしいカウントを喜び合えるイベントを始めようとしています。
震災から13年目と長い年月を感じさせますが、もう復興支援などはいらないのではという声を聞きます。
そういった意味でも町にかえることができて一年という事実を多くの方々に認識してもらうことが大切だと思います。
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大田花きさんからはこんな提案も。
「私は人口が0の場所は農業から始めるのが一番いいと思います。なぜなら、自給自足ができるからです。さらにお金がもらえたらさらにいいと思います。
双葉町の周りの街ではそれがうまくいっている例もあります。
大田花きは、世界で初めての試みとして、市場での花のせりを行っています。
その情報をデジタル化、データ化して、世界中の市場データが集まる仕組みを作っています。
例えば3年後、5年後に売れる花がわかるようになっていて、大田花きがそれを管理しています。」
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参加していた大学生は。
「私は大学生で今一人暮らしをしています。茨城つくば市出身です。津波は経験していないが、家は壊れたりというのを経験しました。
今は東京で暮らしていますが、今日ここ会津へ来て、単純に広い、豊かだ、美しい、と感じました。人を呼び込む流れが出てきたときに、この美しい街、風景を残しつつ、発展させていくことがうまくできたら一番最高だと思います。
しかしそれは難しいこともわかっています。「発展」というところにはAIだったり新しい技術が頭をよぎってしまい、今の美しい風景が残るのかが不安です。
どうなっていくのだろうか?という疑問を今はただ持っています。」
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LINE株式会社さんは
「そうですね、疑問が残るけど何かしないといけないと思っている若い世代にこの経験を伝えていく、歴史を語っていくという話がありましたが、それがコミュニケーションサービスを展開している我々LINEの役割だと思っています。
10月にYahoo!と一緒になることで、より伝えていける幅が広がっていくのではと期待しています。
興味のある人は自分から情報を集めますが、福島から遠い人で様々な状況を認識して考えられている人がどれだけいるだろう?
こういった問題にどういう支援策があるのかなど、デジタルを通して伝えていきたいです。」
さまざまな立場の方が色々な意見や質問をなげかけていきますが
どうやって人材を確保するのか?
魅力的な町にするためには?プロモーションは?と盛り上がりました。
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新潟三条凧協会役員さんは
「私は外に出てみて地元の良さがわかりました。
燕三条は小さな町工場が多く、一人親方が多い町で、勢いのある人が多くその魅力に引き戻された形です。
あとは日本で一番社長が多い町だと言います。ベンチャースピリットの志も高い。
金物の街でしたがキッチン周りがだめになったらアウトドア関連でヒットをだすなど
技術力、開発力、さらに一人親方が多いので、意思決定、方向転換が早くなされるのもいいところだと思います。」
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株式会社ハイサーブウエノ さんは
「我々は飲食店のキッチンを作っている会社です。
燕三条ブランドがメディアに出るのは、前の市長の影響が大きいのではないでしょうか。
中小企業の人集めについては、うちでは大卒は取るのをやめて中途採用に切り替えました。
東京に若い人をとられてしまうのであれば、大手企業に教育してもらった人材を戻してもらえばいいのではないでしょうか。
セカンドキャリアの人に戻ってこようよ、魅力的だよ、とアピールするのがいいのでは。
実際に、今会社ではそういう取り組みによって成功しています。」
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ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社 根本さんは
「我々は本社がアメリカですがグローバルって時代遅れなのでは?と感じます。日本は日本の特色、日本の中でも会津は会津の特色があると思います。
その場所で必要なものを反映する力があるのが、日本の小さな会社の強みですね。
私のいる事業のコールマンジャパンでは、新しいアクションとして、日本国内だけでリサイクルできる仕組みをつくりました。」
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カメヤマローソク株式会社 金指さんは
「我々は三重県亀山市が発祥です。しかし実は今はマレーシア、ベトナムなどでつくっていますが、
世間はメイドインジャパンを今欲しがってていて、やっていることと求められていることのギャップを感じますね。
発祥の地でつくることも必要だと感じていて、100年事業の一環で、創業の地の工場を全部壊して、三重県亀山市に“見せる工場”をつくろうとしています。」
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私たちがシンポジウムを開催しようと考えた始まりは
災害発生から支援活動の動き自体に縦割りの形や
新たな人材や団体が介入しづらい環境や、活動団体が短期的な活動しかできないことや
世間一般の支援活動はボランティアですべきだという認識など
実際に災害支援を続けている中でみえてくる問題を解決したいということからでした。
SDGsという世界からの流れはいよいよ日本でも一般化しつつありますが
一方でそのなかみは本当にどうなんだろうか?「誰一人取り残されない世界を」というテーマを日本に当てはめてみたときに
災害地域の問題に目をむけなければいけないのではないでしょうか
また私たちが長く活動を続け
シンポジウムの開催などで新たな仲間たちを増やし続けたい理由は原発事故からの復興のためだからです。
この問題に関してはとてもむずかしくて繊細なものです。
だからこそ福島各地を回り続け、さまざまな企業協力もおねがいしています。
これまでの反省をいかし、これからの新しいエネルギーのあり方や使い方など、あらたな価値観を見出し
そして実践していくことこそがそこからの復興なのではないかと考えています。
これからも福島各地の特色や311の影響などをとりいれつつも学生たちも一緒になって話し合えるシンポジウムを続けていこうと思います。
会津開催のおわりには地元飲食店をいくつか経営している新明さんによる
会津地域伝統料理のこづゆや、大和川酒造さんはじめ喜多方の美味しいお酒
とれたてのアスパラやお蕎麦など、ほんとうにおいしいものを沢山提供していただきました。
それらを食べながら、参加メンバーが交流を深めました。
これからもSOTEシンポジウムは
福島以外でも東京や大阪でも開催をしていきたいと考えています。
被災地域での活動をもっと身近なSDGsアクションにしてもらえたら
そしてなによりも福島につながることになる「道」にしていけたらと願っています。
これからもどうぞ
ラブフォーニッポンの活動へのご協力よろしくおねがいいたします。
ありがとうございました。
一般社団法人 LOVE FOR NIPPON 代表
CANDLE JUNE
こちらから活動の様子がみれます
お時間あるときにぜひ
https://www.youtube.com/@Candle11th/
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またぜひこちらをご紹介いただきたいです
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これまでの活動レポートはこちらをご覧下さい
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月命日に福島のみなさんからメッセージを授かっています。ぜひひとりひとりの想いを読んでみて下さい。
https://fukushima311.jp/
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