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現地活動報告 2025年4月16日 双葉高校草刈りイベント
ラブフォーニッポンな皆様へ
現地活動報告をさせてください
福島月命日活動や能登活動
その他の活動の報告が遅くなってしまい申し訳ありません
2025年4月16日は福島県双葉町にある県立の高校双葉高校の草刈りイベントを開催いたしました
発災当時まで私自身のことでありますが
原発反対運動をおこなっていました
国会議事堂前に行き拳を上げて反対運動という形ではなく
6ピースというフリーペーパーを制作していました
六ヶ所村原子力再生工場の存在を見に行ったり
原発の何が危険で、他に変わるものはないのか
反対だけではなく「じゃあどうしたらいいのだろうか」のいくつかの提案をおこなうフリーペーパーでした
問題定義をしてくれてきた先輩たちについていくだけでなく
じゃあどうするべきなのかを考え、そして実行していかなければいけないと考えていました
弊社スタッフのなかには当時2人の福島出身者がいて
一人は双葉町の生まれ育ちでした
発災後すぐに福島県への支援をスタートしましたが
双葉町への支援もということで、全町避難場所であった埼玉訪問などもしていました
避難所から仮設住宅まで
そこでおこなわれるだるま市への協力など
ずっとできることをやらせてくださいと伝え続けてきました
徐々に街がもどっていくなか双葉町も最後にはなったものの帰れることになり
すこしずつでも復興の道が見えてきている中
わたしたちは双葉町に拠点をつくりたいと、小学校や中学校の廃校利用を提案してきました
残念ながら3年間伝えてきたものの公費解体やその他の利用が決定してしまったことで
その願いが叶いませんでした
最後に残っていたのが双葉高校でした
県立だから難しいだろうと思い込んでいましたが
シンポジウムの基調講演を教育委員長が引き受けてくださったことをご縁に
ダメ元でお願いに上がりました
「そもそもあれは廃校ではなく休校だから難しい」
結論はとてもかんたんな言葉でした
がしかし13年間も休校という現象がこれまであっただろうか
浪江町や大熊町にも県立高校は存在しており
その3校ともに休校状態であり
人口増加など数字をみながら今後のことは検討する
きっと毎年担当の方々は言い続けていることなのだとわかりました
わたしが小学校や中学校にこだわりたかったのは
町のひとたちの記憶、思い出を大切にしたかったからです
公費解体はただで解体してくれますが
立て直す経費はなかなかむずかしいです
更地になり、草や花が咲く光景を被災地でたくさん目にします
原発事故によって故郷を離れなくてはいけなくなった方々は
10年以上戻れませんでした
当然避難している先で生活がリアルになっていきます
気持ちは帰りたくても現実は。。。。
だとしてもお墓や土地をどうしたものか
時折帰った時に見る自身の土地は感じられたとしても
震災前の多くの人たちの営みをどこで感じることができるのだろうか
当時は小さかった子ども達に
かつての街をどうやって伝えられるだろうか
多くの人が原発事故のあった町にきて
公費解体で更地になり
あらたな住宅が立ち並ぶ中で
かつての双葉町をどこで知ることができるだろうか
きっと日本人であれば全ての人が小学校に通っていて
同じような催しがあり
きっと自分たちの故郷にも重ね合わせて双葉町を感じることができたのではないだろうか
小学校中学校がだめなら双葉高校でも。。。
「廃校ではないから」
「休校だからいずれは。。。というものの現在の住民の人数は3年たっても180人くらいです」
近くに3校も県立高校があったのであれば当然3つともを再開はしないだろうし
であればどうする?
そう考えた時に
まずは「双葉高校の今」を知らなければと思い
県職員の方々が双葉高校の見回りをするタイミングに同行させてもらうことにしました
あらためて高校を見に行った時に驚いたことは
草が生い茂っているというレベルではなく
森ができていたことです
グラウンドにも大きな松の木が何本も生え
校舎のなかにまで蔦がのびていました
すこしずつ自然がこの学校を飲み込もうとしている
が一方でガラスが破られていたり教室の黒板に心無い言葉が書かれていたりしました
海外の人たちがこっそり忍び込んで映像などでもアップしているのだと聞きました
双葉町出身のスタッフが
発災から毎日のように福島にいったり埼玉に行ったりし
その後もダルマ市を盛り上げてみようとか
いろんな提案をしたりしていましたが
「こんなことしたって意味ないんですよ」
そんな言葉を言われた時に
なんとも情けない気持ちになったことが忘れられず
13年間、あーでもないこーでもない
できることはなんでもやらせてもらいますとやってきたことが
その黒板をみたときに一気になんとも言えない気持ちとともに思い出されました
双葉町出身の官林さんが今、私たちの団体の福島理事をつとめてくれています
彼女の母校でもあるこの高校
きっといろんな思い出が詰まっている場所のこの今の現実をみることは
辛かっただろうと思います
それでも一歩進んだねと伝え
まずは草刈りイベントをしようとしました
この学校を有効活用しようとかではなく
多くの人が問題を棚上げし続けること
誰かがやってくれるだろう
そんなことに対して活動をしているのが私たちラブフォーニッポンだから
少なくとも卒業生たちが今のこの光景をみたら悲しむだろうし
きれいにしたら喜んでくれるでしょう
その先にその人たちがこの場所をどうしていくべきかを
汗をかきながら話し合ったらいい
そんな流れで
この草刈りイベントはスタートしました
以下は参加したスタッフのレポートです
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<416 双葉高校草刈り ミニレポート>
2025年4月16日、福島県にある双葉高等学校にお邪魔しました。
2011年の原発事故を受け、長い歴史に幕を閉じた双葉高校ですが、
特定帰還区域となり、卒業生の方々が、放置され続けていた学校を守りたいということで、
LOVE FOR NIPPON福島理事のはるさんが中心となって、「双葉高校草刈りイベント」が実現されました。
お昼頃から続々と卒業生の方々が集まってきてくださいました。
卒業生の方だけでなく、近所にお住まいの方も、
近くに住んでいるのだから是非参加したいと草刈りに参加してくださり、
”自分事”として双葉町のこれからを考えているのだと感じました。
草刈りの前に、双葉高校の校歌と応援歌を歌う会が行われました。
双葉高校と双葉町を応援するかのように空は晴れ、卒業生の方々の歌声が響きました。
双葉高校に到着した時は、駐車場のアスファルトの間からも沢山の草や木が生えていましたが、
約1時間半という短い時間でも集中して行うと、あっという間に学校が生き返ったように感じました。
ただ、まだ手のつけられていないところも多々あり、校舎の中も少しずつ綺麗にしていきたい、
今回は創立記念日に合わせて平日開催となりましたが、
週末に開催してもっと沢山の卒業生を呼びたいという声が出ていました。
近隣の学校は、監視カメラがついていたり、警備が入ったりしているのに、
なぜか双葉高校にはそれらがなく、不法侵入が多いとのお話しを聞きました。
庭の整備など、継続的に人の手が入ることで、自然と管理ができていければ良いなと思います。
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そして福島理事の官林春奈さんのレポートです
東日本大震災と原発事故によって、2017年春を最後に休校している福島県立双葉高校。
校舎のある地域は避難指示解除区域にありますが、13年経った今も再開の見通しは立っていません。
私は、福島県教育長であり高校時代の恩師に双葉高校の今後について相談をしましたが、
やはり簡単に解決できる問題ではない事柄のため
「地域に子どもが戻ってきたら再検討したい」との回答に留まり、現実的な展望は見えませんでした。
今年1月、県職員の方々とともに校舎の見回りに同行させていただいた際、
以前はなかったガラスの破損や不法侵入の痕跡が見つかりました。
廃墟のように映る校舎が、面白半分に撮影され拡散されるかもしれない。
その想像をしただけでも胸が痛みました。
本当に必要なのは、ただのセキュリティ強化ではなく、
「この場所を大切に思う人の存在」ではないか。
そう気づいたとき、卒業生として今できる小さな一歩を考えはじめました。
2023年、双葉高校の創立100周年記念式典に関わったことで、卒業生同士の新たな縦のつながりが生まれました。
その縁をたどって相談を重ね、「できることから始めよう」と提案をもらいました。
休校中の他校でも草刈りなどの活動が行われており、
双葉高校でも4月16日の創立記念日に合わせて草刈りをしようという話になりました。
県にも相談したところ、「同窓生の想いが本当に嬉しい。ぜひお願いします」と快く了承をいただけました。
同窓会長をはじめ、多くの先輩方が協力を申し出てくださり、私も同級生に声をかけました。
正直、平日ということもあり多くは期待していませんでしたが、
当日は地元や東京からの同窓生、町の関係者、地域の方々など、約40名が集まりました。
さらに、私が理事を務めるLOVE FOR NIPPONのメンバーも力を貸してくれました。
草刈り道具の提供、水分補給の手配、何かあった時のための保険対応、休憩スペースの設置など、
安心して活動できる環境を整えてくれたおかげで、初めての取り組みを無事に終えることができました。
「一緒にやろう」と自然に輪に加わってくれるこの姿勢に、改めて感謝の気持ちがこみ上げました。
皆で汗をかきながら、笑い合いながら、校舎周辺が少しずつ整っていく姿をみられたことは、
本当に感動そのものでした。
「生い茂る雑草をみて、いつかこういう日が来たらいいなと思っていた」
「また来たい。今後も続けていこう」
そんな声が聞こえてきたとき、やってよかったと心から思いました。
参加できなかった同窓生からも「ありがとう」「次は行きたい」と連絡が届きました。
当日は、地方新聞社などのメディアも駆けつけてくれ、
翌日には早速この記事が紙面やWEB上にアップされていました。
感謝の連絡をいただいた一方で、
「除染は大丈夫?」
「防護服なしで平気なの?」
という声も寄せられました。
また、WEB記事に対して「(こういうことしなくて)もういいよ」という声もありました。
双葉町では、「草を刈る」というたったそれだけの行為さえ、話題になり、そして賛否が分かれる。
それが今の、この町の現実です。
だからこそ意味があると思うのです。
何かを大きく変えることはすぐにはできなくても、
「この場所を見捨てたくない」という想いでできることがあると確信しました。
校舎がどうなるかはまだ分かりません。
でも、想いのある人たちが動き出せば、何かが変わる。
それを確かめるためのはじまりの日になりました。
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私たちは毎月11日を311の月命日として
福島各地で月命日イベントを続けています
来月7/11ははるちゃんの実家があった場所の草刈りや山の手入れをしようとなりました
そして次の日7/12は双葉高校の草刈りイベント第2回としました
今度は週末となり、卒業生たちも来やすいタイミングとしました
学校敷地内の放射線量も県職員の方にしっかり検査してもらいました
危険レベル箇所はないとのことでしたが
すこしでも危険と思われる場所には近づかず開催いたします
原発事故からの復興は80年とも言われていました
その後各地で大きな震災や水害が発生しており
次から次へと災害支援も大変ですが
原発事故からの復興を真剣に考え
そして実行することこそが
この日本の復興である
そう信じて出来ることを続けています
あらためてみなさまにおねがいいたします
活動資金へのご寄付
活動への参加
情報の拡散
できることでお力を貸していただけましたら幸いです
またこの週末6/28,29は代々木公園にて能登支援イベントを開催いたします
よろしかったらぜひおこしください
どうぞこれからもよろしくおねがいいたします
ありがとうございました
一般社団法人 LOVE FOR NIPPON 代表
CANDLE JUNE
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これまでの活動レポートはこちらをご覧下さい
https://lovefornippon.com/report
ラブフォーニッポンFB
https://www.facebook.com/LFN311
活動へのネット基金ご寄付はこちらからおねがいします
またぜひこちらをご紹介いただきたいです
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5338001
ホームページ内の寄付ページと振込先です
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一般社団法人LOVE FOR NIPPON(イッパンシャダンホウジンラブフォーニッポン)
代々木上原支店(普通)0052628
月命日に福島のみなさんからメッセージを授かっています。ぜひひとりひとりの想いを読んでみて下さい。
https://fukushima311.jp/
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