report |

4/11 月命日の福島

4月の月命日は福島三春町の笹谷東部仮設住宅に行ってきました

この地域は桜が有名で
見頃にはつねに交通渋滞ができる町です
その中でも滝桜は圧巻で
その佇まい存在感はなかなか他には見られないものです

前回打ち合わせに来たころは、まだつぼみの状態でしたが
この日はたくさんの花が開いていてくれました

メンバーは
東京から福島出身者やマッサージ師、アーティストなどのチームで入り
現地集合組では
これまでの被災地活動で繋がった方々が
塩竈からまた郡山の仮設住宅からと集まってくれました

P4118569.jpg

そして新潟中越地震の震央地からも”おとう”が参加してくれて
様々な場所からあつまったメンバーで
この見事な滝桜を見物するなど
なんとも幸せなひとときも過ごせました

もともと
この仮設住宅に行くようになったきっかけは
当時の自治会長さんだった遠藤さんが、故郷富岡の桜を想い書いた詩に
だれか歌をつけてくれないか?という依頼を受けた事から始まりました

その歌を作り、たくさんの場所でこれまでも歌ってくれている青谷明日香さんと
また様々な場所から集まってくれた仲間達と
またこうしてこの仮設に帰ってくる事が出来た事はとても意味のあることだと感じます

P4118577.jpgP4118580.jpg

震災から2年目の3/11を迎え
あらためて多くの人の関心は被災地に集まったものの
実際の支援や交流は激減してしまい
また各市町村などの担当なども春の移動などで変わってしまい
これまでの申請も通らなくなるなど行政のルールも変化が起き
これまでの繋がりがないと
ますます被災地の方々との交流することが難しくなってしまいました

またこれはどこの被災地でも起きている事かと思いますが
仮設住宅ばかり支援がきて他には来ない!
という不満が地元から起こり、仮設住民との衝突を生んでしまったり
役所ももうあまり支援を仮設にいれるのはどうか?というような風潮にも繋がっています

そして
現地に入っている大きな支援団体の多くは震災のためにできた団体ではなく
特に海外の大変な地域への支援などをおこなっているところが多くあります

これらの団体は今回の震災への取り組みのみの活動ではないので
そろそろ規模を縮小し東北から撤退を始めていきます

行政との取り組みばかりをおこなっていると予算ありきとなりがちで
年度が変わると予算が無くなり活動も終わるということも起こります
また
商工会議所、JC、青年会議所などとの取り組みでは
とくに”町おこし”という点においては有効的ですが
まだ被災者が多くそれぞれの問題が様々にある状態では大きなアクションはしづらい時期でもあります

こうして
現状はまだまだ現地へより多くの関心と協力が必要なときであるはずでも
様々な状況から温度が低下してきてしまいます

これまでの”震災”とはちがい
今回は被害地域が震源地から徐々にひろがり
被害状況が酷い地域が一カ所であるということではなく
数多くの被災地がうまれ
それとは別で考えたい”津波”被害も同様に一カ所ではなく多地域です

そしてもっとも大変な問題である”原発事故”です
これらの出来事はこれまでになかったことにも関わらず
”震災”の一言にまとめられてしまっています

日本全体がこの認識を変えなければ
現在の被災地で起きている問題の解決には至らないと思えます

とはいえ

大きなことが出来る訳ではないので
出来る事を続けるしかないので
ひとつひとつ実りある活動を続けていきたいと思います

P4118591.jpg

自分たちの活動は
小さな活動でも
仮設住宅への支援というところから成長し
仮設のみなさんとともに取り組める内容が増え
その仲間達とかつての震災地新潟とのつながりも生まれ
また
仮設のみなさんとその仮設が建っている地域のみなさんとの交流などと
少しずつですが
活動が、そしてつながりが進化してきています

徐々に各行政との取り組みも始まり
借り上げのみなさんも参加出来るようなイベントもおこなって来ています

今回の福島でも
現地メディアの方に参加してもらい
前回の活動の映像をみなさんにみてもらうなど
一方通行の取材で終わりではなく
ともにアクションをしてもらっています

P4118587.jpgP4118601.jpg

”復興”というものは
元の生活に戻ることなのか
元の生活していた場所で生活する事なのか
昔のように楽しい毎日を送る事なのか
様々あると思います

きっとなかなかすべてが最高になったということにはならないかもしれません

それでも復興とは

”いろいろあったけど
いろんな人と出逢えて泣いたり笑ったり
いろんな思い出も出来て、新しい仲間もたくさん出来たよ
そんな今に感謝だね”

とおもえる日が来たときにきっと達成されることなんだと思います

仮設にいくと様々な人がともに暮らしています
仲が良い人悪い人
それぞれのおかれた状況や性格からか
人間関係にも問題が起きています

それでも
東京から行くメンバーと同じで
一人として必要ない人はいないと実感します
その人にしか出来ない事が
その人がいてくれるから助かる

ときに面倒がかかる人がいても
その人がいる事がきっかけでみなで助けおうとなったりもします

きっとここに大げさかもしれませんが”世界平和”のヒントがここにはあるのだと感じています

たくさんの学びがあり
喜びがあります

きっとそれはそこにいる人それぞれにあるのだと思います
だからより多くの人に一緒に仮設に行きましょうと呼びかけます

4/11,月命日のこの日仮設のみなさんが集まり
お茶したり,マッサージされたり、世間話したりと
再会を喜びそして
明日香さんが歌い、過ごしたこの時間がとてもあったかいものであったので
いつも感じる月命日の悲しみがちがうものにかわりました

もちろんこれからも行政との取り組みもおこなっていきますし
商工会はじめさまざまな団体とも活動をともにしていきたいと考えています

ですが
一人一人の住民には肩書きがなく
はじめからずっと一人の住民であります
仮設ではあるが仮の生活をしているわけではない

だから
この仮設住宅に暮らすみなさんとずっと共に在りたいと思います

また福島は仮設で暮らす方々や借り上げで暮らす方々のみが被災者ではないと思っています
むしろそれ以外の9割の福島県民のみなさんのほうが被災者であると思っています

ただ現在避難生活をされているみなさんとともに在る事で
原発地域の今とこれからをしっかりと認識したいということと
その原発地域のみなさんとそうでない福島県民のみなさんとのあいだに入っていたいという強い想いがあります

原発を持っていったのは東京の人たち

福島のみなさんでなんとかこの今の問題をなんとかしましょうというのは
あまりにも失礼な事だと思っています

様々な状況下の福島のみなさんをこれからも活動によって出逢い
そして知り
仮設住宅のみなさんと一緒にイベントをおこなえるようになり
すべての住民のみなさんとともにいつか喜び合える一日が出来る事を目指したいと思います

いつか本当によろこびあえる毎日が迎えられるように

3/11の出来事が”震災”というひとくくりにされてしまったことで
多くの闇が生まれています

しなければいけない支援ではなく
できることで繋がる喜びをともに

どうぞ
みなさんこれからもよろしくおねがいします

P4118608.jpg



レポート一覧へ戻る >