report | 2025.1.24 Fri

LOVE FOR NOTO (令和6年能登半島地震に関する活動レポート)15

ラブフォーニッポンなみなさまへ
現地活動報告をさせてください

2024年の年末から2025年の年始にかけて能登町で活動をおこなっておりました

12/27は福島での活動にも参加してくださっている
お花のアーティストである小林祐治さんが
https://www.geometric-green.com/
能登ベースにて松飾り作りワークショップを開催してくださいました

避難所時代からのご縁ある方々はじめ
さまざまな方が参加いただきました

それぞれが自宅に戻られたり
引っ越しをしたり、復興住宅に入られている中で
久しぶりの再会を喜んだり、ワークショップを楽しんだり
賑やかな時間となりました

印象的だったのは

「こうやってワークショップとかしてくれると本当に楽しいし、
新しい経験もうれしいけれど
なによりもこの2時間だけでも、現実を忘れられることがありがたいの。
このあとまたあの復興住宅に戻ったら、
壁も薄いし、寒いし、寂しい現実が待っているけれど、
それでもここにいる時間があることで本当に救われるの！」

とおっしゃってくれたお母さんがいました

またお友達も連れてきてくれましたが、その方は地域が違う方で
住宅のなかには一人も知り合いがいなかったし、同じ地域ではないから誰とも仲良くできなかった方だったようで
とても喜んでくれていました

27日の夜から毎晩さまざまな方々と一緒に夕食をしながら
現状を聞かせてもらいましたが、年末にむけて徐々にスタッフたちも増えてきて
新旧入り混じりながらも年末年始のイベントの準備を進めていきました

12/31の夜は能登町宇出津の大屋根広場にてキャンドルナイトと炊き出しをおこないました
被災地支援団体のオープンジャパンさんと地元の新村親友会さんと一緒に開催させてもらいました

年越しの中なのでそれぞれ参加できる有志が集まってくれて
テントをたてて、おでんやコーヒーやいろいろな食べ物飲み物を用意して
年越しイベントらしい会場を作っていきました

わたしたちもいつもの炊き出しをおこないましたが
宮城から五福星の早坂さんがきてくださり
あったかい中華粥の提供などをしてもらえました

毎年地元の方々がカウントダウン花火をおこなっていて
今年も花火だけはなんとかあげたいということだったので
飲食などのもてなしの方を私たち支援団体が受け持ちました

花火とキャンドルをと考え、たくさんのわたしのキャンドルたちと
地域の皆さんそれぞれの願いや想いが書かれているキャンドルホルダーも一緒に灯しました

花火の時間にはたくさんの方々がきてくれて
その時間だけは風も止んで穏やかな時間となりました

2:00くらいまでと言っていたのですが
終わりの時間になると雪が降り始めました

災害のことを一瞬でもわすれられるような平和なカウントダウンだったと思います

1/1年が明けてあらためて黙祷時間14:10にむけてまた朝から準備を進めました

大屋根広場での炊き出しからのキャンドルナイトと
白丸地区という津波被害がひどくその後火事も発生してしまっていた地区でも
住民の方からの要望で追悼キャンドルナイトを開催することになっていました

こちらでも炊き出しチームや地元のマッハコーヒーさんが頑張ってくれて
食べたり飲んだりしながら準備を進めていきました

住民のみなさんにはそれぞれの想いや願いを書いてもらいました
里帰りしている家族もいてたくさんの人が参加してくれていました

大屋根広場と白丸公民館前の二ヶ所同時開催でありましたが
地元の方々とオープンジャパンのみなさんの力を借りて
それぞれの場所で黙祷時間を灯すことができました

黙祷時間の後は雨が降りました
気持ちいいくらいたくさんの雨が降りました

黙祷時間に合わせて集まってくれた方もいらっしゃいましたが
終わってからきてくれる人もたくさんいました

「昨日から去年と同じように変な暖かさがあって
またもしかしたら地震が来るんではないかって怖くって。。
だからなかなか出て来れませんでした。」

「変な天気でまた来るかもって思ったからみんなと一緒にいたかった。」

「ごめんなさい。
想像していた以上に心が重たくなってしまっていけそうにないです。」

いろんな、それぞれの2025年の1月1日14時10分がありました

私がこの能登町に訪れたのは1/2の夜中でした

それからまさかこんなにも能登通いをするなんてと思うくらい行き来をしました

「福島での毎月11日の月命日も続けているし
能登には10時間くらいかかってしまうから毎月の月命日はやめよう」

「命日も1月1日だからなかなかみんなも集まりづらいからやらないだろうね」

当時はそんなことを言っていましたが
結果的には毎月1日にキャンドルナイトイベントを開催し
命日もやっていました

支援側の気持ちは支援しているものだったらわかるかもしれませんが
あまり語り合うことがありません

つねに反省ばかりでもっとこうしていたらとか
足りないものや人やルールなど、歯がゆい思いもたくさんあります

それでも自分自身のこと
自分自身の心とは向き合うことをしません

白丸地区でも大屋根のほうでも
たくさんの人のドラマがありました

関わってくれているそれぞれの物語で本当にお腹いっぱいになって
その人たちのこれからのことばかりを考えます

被災された方々の気持ちを
家族を亡くされてしまった人たちの気持ちを
家を失ってしまった人の気持ちを

いろんな人たちの気持ちをわかろうと努力します

でもどんなにそうなろうとしても本人にしかわからないものです

だからその方々へ、もっとも正しいだろうと思われる言葉をかけてあげることができません

東日本大震災からも
原発事故被害からも
たくさんの人のお話を聞いています

その一人一人の気持ちになってすこしでもわかろうとして向き合ってきていますが
今でもわかることはできません

だから食べ物や飲み物を用意して、いろんな人が集まれる場所をつくり
そしてキャンドルを灯します

できたらみんなの願いや想いを書いてもらって灯します

その一つ一つの願いや想いが叶うように祈るために灯します
そしてそれを仲間たちが手伝ってくれます

大変な想いをした方々の気持ちをなんとかしたい
でもそれはなかなか難しいことだということを知りました

それでもこれからもたくさん聴き続け向き合い続け
そして現実的な起きた事象に対してできることを精一杯させてもらい
また変えた方がいいことはどんどん変えていけるように働きかけ
もう同じような悲しみを味わう人がいなくなれるように
災害地にきたこともない他人事と思っている人たちに
しつこくも伝えていきたいと思います

能登でむかえた年越しは
これまでの人生で味わったことがない年越しでした

きっと参加したスタッフたちもみんなそう感じたと思います
歳が明けることの何がめでたいのか
あらためて考える時間となりました

そしてあらためてこの一年も毎月1日を中心に能登で活動をしていこうと決めました

まだまだ雪も降るとても寒い能登だからこそ
もっともっと多くの人を繋いでいきたいと思いました

年末年始のこの活動の様子はラジオ番組でもお話をしているのでラジコなどできいてもらえたら嬉しいです
https://www.j-wave.co.jp/special/hearttoheart/

毎月第3日曜日の夜10時から1時間の番組です

2月と3月の後2回の放送で私のナビゲーターは終わりとなります

ぜひお時間あるときに聞いてみてください

1/1の全てが終わった夜に交流会を開きました
能登各地から集まってくれたみなさんとビンゴ大会をしたり食べたり飲んだりして
楽しい時間を過ごしました

ぶりの差し入れをしてくれた松波のチームは自ら刺身にしてくれたり
支援する側される側の垣根がなく
泣いたり笑ったりの素敵な夜を過ごしました

悲しみから喜びへ

今は辛く大変なことばかりでも
いつの日か一緒に喜び合えるように