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10月11日の月命日

10月11日の月命日は福島県川内村を訪問して来ました

川内村は原発事故によって避難を余儀なくされ
各地へ散り散りになってしまった村です

震災から6年
ようやく帰村が許されたものの
一割程度しか村には戻って来ていません

線量が高いところはそれほどないようですが
近隣の町に買い物などに行っていた方が多く
まだ数値も高い富岡町などが復興していないことや
子供がいる若い親子は
この長い避難生活を送っていた地域で家を借りるなど
あまりに長かった避難生活と
まだまだ原発事故の影響などから思うように帰村が進んでいません

今回は帰村している家族たちのために
少しでも賑やかな一日を作ろうということで
川内村の皆さんと一緒に月命日を作りました

村の体育館を一日お借りして
午前中から準備を始めて
午後からイベントをスタートしました

いつものように各地のお母さんたちがたくさんのご飯を用意してくれて
みんなでそれを美味しくいただくことからのスタートです

川内村出身のアーティスト
渡辺俊美さんも
忙しい合間を縫って参加してくださり
みんなのご飯の時間に歌ってくださいました

マッサージチームやお花、ヨガや体操のワークショップ
山元タイムのミサンガづくりや
福島のお母さんたちの折り紙のワークショップ

そして綱渡り体験もさせてくれるクロワッサンサーカスさん

音楽ライブはキャンドルの灯りの中で行われ
たくさんのアーティストのライブを行いました

川内村の皆さんも
お餅つきをしてくれたり
子供達が楽しめるようにとたくさんの遊び道具を持って一日参加してくれました

谷本賢一郎さんは
川内村のお父さんたちととっても仲良くなっているので
前日から川内村入りして
お父さんたちと飲み明かしての参加でした

いつもお花で参加してくれている小林さんご夫婦は今回たくさんのハーブを持って来てくださいました。

川内村に戻られて
畑を復活させているけど
「ぜひラブフォーさんと一緒に何かやりたい!!」と言ってくださったお母さんの畑で
ハーブ園を作ろう!と考え、小林さんに相談したところ
方々から集めて来てくださいました

避難所からの繋がりから
帰村した今
それぞれが得意分野でつながっています

宮城で出会った人も
新潟で出会った人も

避難所で出会ったり
支援活動で出会った人も
仕事で出会った人も

こうして毎月の11日に
福島で再会しています

震災から7年とよく言われますが

原発事故から7年

被災者ではなく
事故被害者
そしてその被害は今も形を変え福島各地で起きています

もちろん復興して来ている福島各地もあります
そもそも元から事故被害の影響を受けていない地域もありました

この12月の月命日に訪問したのは会津にある大熊町の仮設住宅でした

震災から7年経っても仮設住宅での生活を余儀なくされたことがかつてあったでしょうか?

そしてこれは震災ではなく原発事故被害からの避難生活です

このことをもっともっと多くの日本人は改めて考えなければいけないと思います

10月に訪問した川内村も
帰村することができたとはいえ
以前の生活を取り戻せたわけではないので
住民の皆さんの生活は大変なものです

それでも村に戻った皆さんはきっと事故前よりも助け合い
励まし合い
そして何より未来の子供達のために日々頑張っておられます

この月命日も

「数は少ないけど村で暮らす子供達のために
ぜひ楽しい一日を作ってもらえませんか!!」

そんな声から生まれました

ラブフォーニッポンのメンバーたちはそのための一日を
一生懸命作ってくれていました

毎月11日に福島で開催しているこの月命日のキャンドルイレブンも
きっとメンバーたちは
「福島のために」ではなく「子供達のために」
そして「未来の日本のために必要なこと」

だから「今の自分にできること」で
参加してくれているんだと思います。

1月は原発がある街、双葉町のダルマ市から活動はスタートです
仮設住宅での開催が最後となります

戻ることができない町には処分場ができるなど
話題にならない中で
様々なことが進行しています

大熊も双葉も
帰れない町ということ以上に
現在も危険な原発作業を続けてくれている方たちと
その家族がたくさんいます

そういった意味でも
少しでも多くの日本に暮らす皆さんの関心が
原発ではなく
双葉町、大熊町といった町の皆さんへと繋がってもらえたらと願います

震災復興支援ではなく
原発事故災害被害者支援として
これからもまだまだ福島に通い続けていきたいと思います

みなさま

これからもラブフォーニッポンをどうぞ
よろしくお願いします

下記にスタッフレポートもあります

Candle JUNE

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月命日スタッフレポート

わたるさんとれいこさんの故郷へ。
かれこれどれくらいのお付き合いになるのだろうか。
震災後
仮設住宅でお二人と出会った。

原発事故の問題があり生まれ育った故郷に帰れず
仮設住宅で6年という長い長い時間を過ごしやっと生まれ育った故郷へ帰れたお二人。

初めて出会ったったのはどこだっただろう??
いつもにこにこと美味しいお料理を作ってくれるれいこさん。
いつも「がははは」と笑って冗談を言っては周りを楽しませてくれるわたるさん。
毎月会うたびに元気に笑っている2人

でも、毎月の月命日で会う時に時々、真剣な顔で故郷の話をしてくれました

「この前帰ったらネズミが家の中の至る所にいた」
「畑もみんな草だらけだ」
「だーれもいねーから静かになっちまった」
「夜は何にもなくて真っ暗だから星が綺麗に見える」

と寂しそうに故郷を思い浮かべて話してくれました。
家に帰りたいけど帰れなかった日々の中
やっと帰ることができLOVE FOR NIPPONのみんなで
れいこさんとわたるさんの故郷で月命日を過ごすことができた10月11日。
2人共とても嬉しそうで、いつも以上に張り切ってみんなのご飯を作って待っていてくれおもてなししてくれました。
そして途中でわたるさんが自宅へ連れて行ってくれました。
昔ながらのお家はとても綺麗に整えられており、草だらけだったであろう畑も
綺麗に耕され苗が植えてありました。少しずつ少しずつ手を加え元どおりにし
今まで以上に愛情をかけて育てているのだろうと感じずにはいられなかったわたるさんの大切な畑。
ちょうど蕎麦の収穫時期でした。

帰り道、わたるさんが小さな頃に通っていた学校の前を通ると
平日にも関わらず静かで校庭がとてもとても大きく見えました。

「本当に少ししか帰ってこないから、子供達の姿はほとんど見ない。じーさんばーさんばっかりだ。
これからどうなるんだか」
と淋しそうで不安そうでもありました。

わたるさんの息子さんも震災後、避難した場所で子供も大きくなり
新しい生活が始まったので川内村には帰ってこないとのこと。

沈黙が続くと
「がはははは」と笑って
「今日はみんなが来てくれたから賑やかだ!!」
と言ってみんなのいる体育館へ帰りました。

そして最後に、川内村のみなさんから
ひょっとこ踊りのプレゼントをいただきました!
お母さん、お父さんたちがお面を被ってお菓子を投げながら踊り歩き、子供達も逃げたり一緒に踊ったり!!
とても賑やかな1日でした。
れいこさんとわたるさんの故郷に行けてよかった!

まだまだ問題はたくさんあるけれど、お二人のあんなに嬉しそうな顔が見れたことが何よりも嬉しかった。

そんな10月11日の月命日でした。

ラブフォーニッポン スタッフ

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