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2018年3月11日 SONG OF THE EARTH FUKUSHIMA-CANDLE11th-

2018年3月11日、SONG OF THE EARTH FUKUSHIMA-CANDLE11th-(以下、SOTE)は無事に終了いたしました。会場となった福島県いわき市南台応急仮設住宅のイベント広場には、地元の方々はもちろん県内外から多くの人びとが集まり、それぞれの3月11日を思い出しながら「たのしいね うれしいね おいしいね ありがとう!!」の時間をともに過ごすことができました。

 

開場と同時に駆けつけてくれたのは、なんとトーキョータナカさん。おそらく1時間足らずのご滞在でしたが、オープン間もないときに思わぬゲスト!にわかに会場が暖まりました。ちなみにこのあとトーキョータナカさんは熊本へ向かわれたようです。ありがとうございます!

 

「東北ノ仲間達トシバシオ別レ。 各々ガ各々ノ出来ル範囲デ継続! ガンバッペシ東北!!」ご本人のTwitterより抜粋。

午前11時。まずは代表Candle JUNEの挨拶から。「ここにはお客さんはひとりもいません!全員がこのイベントを作っている仲間です。最後まで楽しんでいってください」そんな言葉からSOTEはスタートしました。テニスコートほどの広場に出店ブースが軒を連ね、とてもアットホームな雰囲気です。

飲食やグッズ販売、ワークショップ、大道芸パフォーマンス、ライブ…。震災直後からLOVE FOR NIPPONとともに活動してくださっている方々、毎月の月命日イベントに参加いただいている方々、この日、一堂に介することができました。

ステージトップバッターは「けっさくお兄さん」こと谷本賢一郎さん。わるたんも一緒にステージを盛り上げます。午前中は太陽の光が注がず、じっとしていると体が芯まで冷える寒さ。「体を動かそう!」と、手遊びを入れながら寒さを和らげます。後半はクロワッサンサーカスもジョイン!さらに盛り上がりました。

続いては、高橋てつやさん。2016年の3月11日から、LFN月命日ロードのほぼすべてに参加してくださっています。今年の3月11日も変わらず伸びやかな歌声を届けてくれました。

昨年のSOTEに引き続き出演の、山さんこと山岡トモタケさんは地元福島出身のアーティスト。今年はバンドメンバーの剛さんとともに登場です。

当日は「晴れ予報」のはずでしたが、空はどんより曇り空。なかなか晴れてはくれません…。しかし、そんな寒空にふわりと沖縄の風が吹きました。ORANGE RANGEさんです。「上海ハニー」「花」といったヒットナンバーをアコースティックバージョンで披露。「寒いので踊りましょう!」とYAMATOさんがカチャーシー(沖縄の踊り方)を来場者に伝授。少しずつ青空が見えはじめました。

続いて登場したのは渡辺俊美さん。福島県川内村出身の渡辺さんはもっとも多く福島へ足を運んでいる方です。ふるさとへの思いが篭もった「I love you & I need you ふくしま」に、涙している人も多くいました。ラストにはシンガーソングライターの大督さんと錦小学校吹奏楽部サンシャインマリンズを迎えて「ロウソク」をセッション! 元気が溢れるコラボレーションでした。

そして、14時46分。会場にいる全員で1分間の黙祷。黙祷のあと、Candle JUNEから。

「曇っていたけど、俊美さんの歌で空が晴れました。ここにこうして集まったみんなは正解なんだよ、と地球が言ってくれています。。LFNが初めて来たのは、ここ、いわきの沿岸部でした。みなさん、覚えていてくれてどうもありがとう。イベントをやらせてくれてありがとうございます。県外から来たみなさん、覚えてください。『福島の原子力発電所』じゃないんです。この双葉町に原子力発電所はあります。福島原発という名前から原発イコール福島ではないんです。自分は震災から1年目からずっと『ごめんなさい』って、謝り続けてきました。約束もしました。できないことは、できるヤツに頼むからって。でも、4年目からはだんだん『ありがとう』を言うようになりました。たくさんの福島の人たちが支えてくれて、迎えてくれることにです。

負けず嫌いの自分は八年目からは言いたいことを言います。まずは「福島原発」という名前を変えてくれって。福島の原発じゃない。あれは東京電力という会社の物です。東京電力第1、第2とすればいい。原発だけが福島ではないし、津波被害もひどかったんだ。そして事故を起こしていない各地の原発も、電力会社の名前にするべきだと。

事故がおきて農作物が売れなくなった。いじめや風評被害をなくしたい。福島県の人たちと声を出していきたい。頑張っているかっこいい大人たちがここにたくさんはいます。みんな遊びに来て欲しいです。本当はもっといいたいことがあるけれど、あとは出演するアーティストに渡したいと思います。この日のために毎年予定を空けて、当たり前に来てくれる人たちがいるんです。ここから先はそんなアーティスト達の想いを感じてください。」

そして、渡辺俊美さんを中心に、出演アーティストがステージへ。スペシャルセッションのはじまりです。

 

それぞれのアーティストが「I love you & I need you ふくしま」の「ふくしまに帰ったら〜」をそれぞれの地元で歌いつなぐ特別バージョン。「いばらきに、いばらきに、帰ったら〜後輩をなぐる〜」とTOSHI-LOW節が会場を沸かせました。

月命日のロード、そして昨年のSOTEではソロ参加してくれていたERIKAさんが今回はバンドメンバーを連れzero zero z(ゼロゼロゼット)として出演。透き通るような声が空に届いたのか、太陽の光がステージに差し始めました。

 

 

陽が傾き始め、夕日が会場を照らすなか登場したのは細美武士さん。ステージに向かって人がぐぐっと吸い寄せられていきます。

数曲披露ののち、TOSHI-LOWさんが登場し、the LOW-ATUSに。晴れて赤みがかった青空に「青空」が響き渡りました。

そして、TOSHI-LOWさん。神戸から歌い継がれる「満月の夕」を始め熱い想いを歌で伝えてくださいました。

片平里菜さんは福島市出身、LFNの活動にもいつも参加してくれています。「なまえ」「心は」など、透き通った片平さんの歌声に、小さな炎が呼応してゆらいでいるように見えました。

あたりも暗くなった頃に登場したのは若旦那さん。LFNの立ちあげメンバーでもあり、いまでも高い熱量で月命日ロードに参加してくれています。

ラストを飾るのは、LFNが被災地支援を始めてから、最も多くの被災地で歌を届けてくれている青谷明日香さん。

 

最後は、月命日恒例の一本締め。スタッフも出店者も全員で手をたたき、空に向かって、そして来年に向けてしっかり締めくくりました。7年が終わり、ここから8年目がはじまります。仮設住宅から新たなスタートを。そして4月11日は復興住宅での最初の月命日が始まります。ご来場いただいた皆様、ご協力頂いたみなさま本当にありがとうございました。様々な出店やワークショップなどは第二弾のレポートにて報告させてください。

 

撮影/sumi☆photo

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山元タイム